2018.01.22
インタビュー

まだそこにはない「何か」をカタチにしていく。WIZはチャレンジングな新ブランド

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アルミバンパーを始めとしたスマートフォン周辺アクセサリーで知られるDeff(ディーフ)は、2017年に新ブランド「WIZ(ウィズ)」を起ち上げた。「WIZ」とは「WITH」ということ。生活のシーンに寄り添う製品がラインナップされている。

 

現在、「WIZ」からはIQOSをはじめとした電子タバコ用のアルミ製ケースを発売。さらにボールペンやネーム印用のアルミ製ジャケットも登場。Deffが得意としているアルミ製品の技術を使い、新たなジャンルの製品を作り出している。アルミ製バンパーと同じく、新ブランド「WIZ」のデザインディレクターも、山岸隼人氏が担当している。

 

WIZから出す製品は、ジャンルが決まっていない

「WIZ」は、Deffが新たな地平線を切り開くために起ち上げたブランドだ。山岸隼人氏がデザインディレクターに就任したタイミングで、具体的に動き始めた。山岸氏の参加は2016年12月のこと。半年後には新製品が登場、始動した。

 

「現在、WIZからはIQOS用アルミケース『IQOS Aluminum Case for 2.4/2.4 Plus』といった電子タバコ用のアイテムや、ボールペン『ユニボール シグノ 極細』用の『WIZ PEN JACKET』、シヤチハタ用のジャケット『WIZ Stamp Jacket for Name9 Oval』といったステーショナリーが発売されています。実は、これらは想定している製品群の一部でしかありません」

 

という山岸氏。「そのため、まだ話せることは限定されるが……」と話を続ける。

 

「ジャンルや製品群にとらわれることなく、『WIZ』という世界観を持った製品を出していければと考えています。ジャンルをまたいだ柔軟で幅広い展開を考えています」

 

電子タバコ用アイテムとステーショナリー、始まったばかりの「WIZ」はすでにジャンルにしばられないラインナップになっている。

 

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電子タバコIQOS用のアルミケース『IQOS Aluminum Case for 2.4/2.4 Plus』。

 

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ボールペン『ユニボール シグノ 極細』用のアルミ製ジャケット『WIZ PEN JACKET』

 

「私は『ユニボール シグノ 極細』を10年以上も愛用しています。メモをとるのにも、デザインアイデアを描くのにも最適。とても気に入っています。高級なペンも持っていますが、それはフォーマルな場所で使うもの。いくつか試してみたのですが、いまいち描き心地がしっくりきませんでした。描き心地の『ユニボール シグノ 極細』とフォーマルな場で使う高級なペンを、1本にできないかと考えてデザインしたのが『WIZ PEN JACKET』です」

 

コンビニなどで手に入る「ユニボール シグノ 極細」の口金とリフィルを取り出して挿し込むだけで使えるWIZ PEN JACKET。アルマイト処理されたアルミ製のジャケットは安価な汎用ボールペンに高級感を与えてくれる。また、適度な重さになることでペン先を紙につけやすくなるだけでなく、使用時のバランスも考慮されているため、さらに描きやすいペンになる。

 

「スマートフォンはそれ自体、しっかりデザインされていますが、ケースをつけて使うことが一般的になっています。WIZのラインアップもスマホ用ケースと同様で、製品が持つ本質的な機能を損なうことなく、より楽しく快適に使うための『選択肢』です。シンプルで洗練されたデザインを目指したWIZの製品は、ユーザーにひとつ上の『体験』をもたらしてくれるはずです。

 

新しい『何か』だからこそ、さらなる工夫が必要となる

「WIZ」の仕事は、その企画自体がとてもチャレンジングなものだという。

 

「バンパーやケースなど、スマートフォン用アクセサリーは誰もが知る当たり前のものになっていますが、『WIZ』の製品は存在しないものがほとんどです。デザインに際して、まず製品としての立ち位置を考えなければなりません。自分たちのアイデアは本当にカタチになるのか、製品はユーザーに必要なものなのか、受け入れてもらえるのかをしっかり検討します。そこにない『何か』をカタチにしていく。『WIZ』では、常に挑戦しています」

 

また、チャレンジングな企画であるからこそ、それぞれの製品コンセプトは明確で力強い。そしてそのコンセプトは製品の細部にまで込められている。

 

「私は『ユニボール シグノ 極細』をはじめとした日本製のゲルインクペンの描き味が大好きです。しかし、実際、安いものだしそのデザインは高級感があるものではありません。シーンに合わせて、ユーザーが、シンプルで洗練されたデザインのペンを選べることも重要ではないかと考えています」

 

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アルミ製ジャケット「WIZ PEN JACKET」は、『ユニボール シグノ 極細』の口金とリフィルを取り出して挿し込む。ペンの描き味と高級感を両立している。

 

「WIZ Stamp Jacket for Name9 Pentagon」は、「シヤチハタ」の名前で知られるネーム印「ネーム9」のインキカートリッジを挿し込むことで使うアルミ製のジャケットだ。安価なシヤチハタを高級感のあるものにしてくれるアイテムだが、決して仕事に欠かせないものではない。しかし、デスク上で転がらないよう六角形にすること。六角形の角をやや膨らませることで、手当たりを良くしていること。外しやすく、カチッとハマるようキャップにネオジム磁石を組み込んでいるなど、モノとしての使いやすさ、快適さを上げる工夫も凝らされている。新しい提案をユーザーに受け入れてもらうためには、細部まで考え抜いておく必要があるのだ。

 

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「シヤチハタ」用のアルミ製ジャケット「WIZ Stamp Jacket for Name9 Pentagon」。

 

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ルックスはもちろん、使い心地など細部に至るまで工夫が施されている。

 

今後も「WIZ」のラインナップは拡充していく。

 

「『WIZ』は始まったばかりで、試行錯誤を繰り返しています。現在、Deffが得意とするアルミ合金を使った製品が発売されていますが、プランには他の素材を使ったものもあります。まだお見せできないサンプルも実はたくさんあります」

 

次の可能性を求め、新しい道を進み始めたDeff。「WIZ」はその象徴となるブランドだ。

 

「Deffに参画できて光栄です。新しいアルミバンパーについてのお話でも触れましたが、Deffはモノづくりに対する姿勢が、とても柔軟で会社で試作や提案を通して、さらにおもしろい製品を出していければと考えています。Deffが持つモノづくりの知識と技術を活かし、可能性を探していければと考えています」

 

 

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山岸隼人氏のデザインオフィス。洗練された空間で新しいデザインが生み出されています。

 

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実際にPenJacketを愛用されています。

 

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山岸隼人氏デザインの「VORONOI 」ボロノイ図形に基づいた自然な形状をもったプレートシリーズ。肥前吉田焼きデザインコンペ優秀賞。

 

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同氏デザインのモバイルバッテリー「ZEPPELIN」。シンプルながら特徴的なデザイン。ドイツIFデザインアワード2014受賞。

 

 

第一回目のインタビュー記事もご覧ください!

 

 

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プロフィール

山岸隼人 HAYATO YAMAGISHI

1979年生まれ。幼少期をオランダとアメリカで過ごし多摩美術大学プロダクトデザイン専攻を卒業。照明器具メーカーでプロダクトデザイナーとして勤務後、2001年にHYT-DESIGNを設立。2014年より多摩美術大学非常勤講師、2017年よりDeffデザインディレクターも務めている。

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